東京地方裁判所 昭和44年(借チ)1045号 決定
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〔主文〕 申立人が相手方に本裁判確定の日から三月以内に金四六万円を支払うことを条件に、別紙目録(一)記載の土地上にある同目録(二)記載の建物を取り毀し、同地上に同目録(三)記載の建物を建築することを許可する。
〔決定理由〕(申立の要旨)
1 申立人は、相手方から、昭和二四年七月中旬別紙目録(一)記載の土地七〇坪(以下本件土地という。)を非堅固建物所有の目的で期間を定めずに賃借し、賃料は、昭和四四年五月一日以降一ケ月四、九〇〇円に改定され、現在にいたつている。
2 申立人は、本件土地上に別紙目録(二)記載の建物(以下本件建物という。)を所有している。
3 本件建物は老朽化したので、申立人は、これを取り毀し、本件土地上に別紙目録(三)記載の建物を建築する計画である。
4 本件借地契約には、増改築を制限する旨の特約はないが、相手方は、右特約があると言うので、右改築につき相手方の承諾を求めるべく、種々折衝したが、結局承諾を得られなかつた。
5 よつて、賃貸人の承諾に代わる許可の裁判を求める。
(決定理由)
1本件の資料によれば、申立の要旨として掲げた1、2の事実のほか、本件改築は、土地の通常の利用上相当であることが認められる。増改築を制限する旨の特約の存否は不明であるが、増改築をめぐる将来の紛争を防止する上からいつて、本件申立は、これを認容すべきものとする。
2 次に、附随の処分について考える。
本件改築により建物の耐用年数は著しく延長されることになり、また、本件の資料によると、本件建物は、昭和二二年頃の建築にかかり、相当老朽化し、既に改築時期に達しているので、この点を考慮するとき、財産上の給付は、増改築制限に関する特約があれば、本件土地の更地価格(鑑定委員会の意見に従い一平方米七万五、〇〇〇円)の四%にあたる六九万円(万円以下四捨五入)を相当とするが、右特約の存否が不明であるので、右の三分の二の四六万円を財産上の給付額とする。その余の附随処分の要を見ない。(小山俊彦)
目録
(一) 東京都世田谷区北沢三丁目五五九番三
宅地 980.56平方米
(二九六坪六合二勺)
のうち231.40平方米(七〇坪)
(二) 右地上所在
家屋番号五五九番の三
木造瓦葺二階建居宅
床面積 一階 44.92平方米
二階 24.79平方米
(登記簿上の表示 木造杉皮葺平家建居宅 床面積一〇坪五合九勺)
(三) 木造二階建居宅
床面積 一階 106.59平方米
二階 53.70平方米